警視庁捜査一課７係・巡査部長。
名門東都大学を首席で卒業。アメリカ留学経験があり、何かと欧米の影響を受けている。犯罪心理学に精通し、過去のあらゆる犯罪が頭に網羅されている。並外れた推理力、洞察力、論理的思考を持つ“自信家”で、人との距離感が異常に近く、常にマイペースの自由奔放な性格。甘党で常にスイーツは欠かせず、残念な一面も併せ持つイケメン。
警察内では単独行動の常習犯で、上司の指示を無視して好き勝手に捜査をしていくが、ひとたび事件が起こると真剣な眼差しに豹変し、これまでに数々の難事件を解決してきた。そんな中、殺人者を「視る」ことができる四鬼夕也と出会ったことで、その力を事件解決に活かせるのではとひらめく。と同時に、夕也を襲った忌まわしい過去を知ると、刑事である以上にひとりの人間として夕也に寄り添い、四鬼家の悲劇に隠された謎を解き明かしていく。

港学院高等学校３年B組。
長い歴史を持つ武道『四鬼神流古武術（しきがみりゅうこぶじゅつ）』を受け継ぐ、四鬼家の一人息子。過去に殺人を犯した人を視ると、その人の身体に黒い“影”がかかって見える。
これは生まれつきの力（＝ギフテッド）によるもので、幼少期は不用意に相手の影を指摘してトラブルになることも多く、母親の舞歌からは隠すように言われていた。
幼い頃は、なぜ影が視えるのか、それが何を表すものであるかを知らなかったが、母親が亡くなった時に遺品を整理する中で、生家の「四鬼家」にまつわる古文書を発見。そこには『四鬼神流古武術』は忍術の流れを汲み、古来「暗殺」を生業としていることや、人を殺めた者がわかる『鬼の眼』を持った子がいると記されていた。
『鬼の眼』を持つ子どもは、四鬼神流に大きな変革をもたらすとされていて……。

警視庁捜査一課７係・巡査部長。
那月の同僚で捜査上のパートナー。自身も優秀な刑事だが、単独行動をしがちな那月に振り回され、始末書を書かされることも。奔放な那月に苛立ちながらも、パートナーとして那月を近くで支えていくにあたり、難事件の解決には“那月の並外れた推理”が必要だと感じるようになる。

警視庁捜査一課７係・警部。那月と竜崎の上司。
組織の規律を重んじる真面目な性格で、頻繁に単独行動を取る那月に何かと苛立たされることが多い。
かつて夕也の母・四鬼舞歌殺しの事件の捜査に関わっており、那月が夕也と行動していることに不審を抱く。

警視庁・鑑識係。
ワシントンでの研修から帰国したばかり。偏屈で嫌味が多く、その癖のある性格は周囲に敬遠されがち。しかし、仕事熱心で極めて優秀であり、那月もその能力は認めざるを得ない。

四鬼夕也の亡き母。
『四鬼神流古武術』（しきがみりゅうこぶじゅつ）の当主だった夫・頼朝が亡くなり、道場を継いでいたものの、５年前に何者かに殺害される。 夕也が殺人者の影を視ることが出来る『鬼の眼』を持って生まれてしまったことが分かり、母親として“普通の幸せな人生を送ってほしい”という願いのもと、『鬼の眼』のことは他言無用するよう厳命していた。しかし、四鬼神流には当主や師範を継ぐ者に恐ろしい掟があることを知り、夕也を想う舞歌はある行動を起こす。

四鬼家の住み込みの家政婦。
長年四鬼家に勤めており、夕也を幼い頃から献身的に支えてきた。時には親代わりの忠告をすることもある。

『四鬼神流古武術』の師範代。通称『風鬼』。
由緒ある舞の家柄の出身。風のように瞬時に相手の関節を外すことができる。36歳の男性だが、幼い頃から舞をたしなむうちに女性的外見となる。
現在は舞台俳優をしており、その天才的な演技力は高い評価を得ている。「自分なりの正義で動く」という信念を持つが、その正義が何かは容易に理解しえない。可憐な姿と裏腹に何を考えているかわからない不気味さを持つ。

『四鬼神流古武術』の師範代。通称『水鬼』。
歴史ある華道の家元『林家』の生まれであり、現在は華道家として『林家アートフラワー』を主宰している。
幼い頃の夕也とは親しく、兄のような存在だった。しかし現在、夕也に距離を置かれている。それは秘影に纏わるあることが原因となっていて……。

『四鬼神流古武術』の師範代。通称『金鬼』。
一人娘・薫がいる、四鬼で唯一の父親。薫がまだ幼い頃に妻を亡くし、男手一つで娘を育てた。舞歌殺害の重要参考人として連行される途中、警官を倒して逃走。現在も行方不明となっている。そんな那由他への夕也の想いは……？

『四鬼神流古武術』の師範代。通称『隠形鬼』。
外見からは考えられない怪力を持ち、何者にも姿を変えることができる人物。琵琶の家元の出身で、現在はロック・ギタリストとして活躍中。兵馬以上に、何を考えているか分からないと言われているが……？